*Just the Way You Are* ~はみ出し者の旅~

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【日本代表】突然のハリルホジッチ氏解任。この“悪手”は決して“好手”には化けない。

 

 

日本サッカー界、激動の1日


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8日の夜、ハリル氏の去就に関する会見を9日に行うという報道が飛び交った。正直、このまま続投するという意思を表明するだけの会見だと思った。今まで、解任するタイミングがあったにも関わらず、協会側がハリル氏を評価し、結局、ワールドカップ2ヶ月前まで来たのだから、ここへきての解任は考えずらい。そう思っていた。しかし、報道の量や、入ってくる情報からして、只事ではない嫌な予感もしていた。


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技術委員長を務めていた西野朗氏が後任として監督に就任


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日、正式にハリルホジッチ氏の解任が正式に発表された。同時に後任として西野朗氏の代表監督就任も発表された。ロシアワールドカップまで2ヶ月というこのタイミングでの電撃解任。この決断に至るまでの舞台裏で何があったのだろうか。欧州遠征の2試合は結果、内容ともにお世辞にも良かったとは言えないが、あくまでテストだったはず。そして、今までのアジア予選でも、国際親善試合でも、ハリル氏のサッカーは本大会で勝つためのものだと一貫した意思を貫いてきた。しかし、結果は報道の通り。


決断に至った理由は“総合的な判断”


 結果を残せていないから、香川真司などスポンサーなどの広告塔ともいえる選手を招集しなかったから、監督の哲学があまりにも日本サッカーに合わず、日本人らしさが失われていたから、選手らとの関係がうまくいっていなかったから、考えられる要因はいくつも思い当たるが、どれも、ハリル氏が就任してから常に付き纏っていた問題で、その時々で何かと理由を付けて解任することを避けてきたのが日本サッカー協会であったはずだ。“総合的な判断”実に便利な言葉だ。ただそれは、理由を言っていないのと同じだろう。


この一手は完全なる“悪手”。今後、“好手”に化けるはずもない


 今回の決断は”悪手”としか言いようがない。残りの2ヶ月でどれだけの準備をしようが、本大会で結果を残そうが、決して”好手”には成り得ないと思うのだ。本大会でどんな結果になろうとも、この4年間の積み重ねを分析することも、反省することも、次の4年間に生かすことができない。ハリル氏のサッカーで本大会でどれだけ戦えるのかを観たかった。戦い抜いた上で分析する。ここではじめて、次に生かすことができるのだ。確かにオプションの無さは感じていたし、さまざなところで不満も感じていたが、いまだに日本のサッカーのベース、スタイルを見いだせていないのだから、様々なことにトライしていかなければならない。そのトライの舞台はW杯本大会だったはず。本大会で勝つための指揮官の人選だったはずだ。

 

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協会は何を考えて、解任を決断したのか、本当に勝つ可能性を1%でも、2%でも上げようとした結果なのだろうか。スポンサーからの圧力など、サッカーとは関係のないところでの影響があったのではないだろうか。そう思わずにはいられない。もし、そんなくだらない理由が要因の一つなのだとしたら、監督を変えることよりも、日本サッカー協会の体質を変えなければならないのではないか。上の改革なしに日本サッカーの未来はない。

 

会見で、田嶋会長が「しっかりとボールを繋ぎたい。」と発言していたが、これはいまに始まったことではなく、就任当初から一貫して中盤を捨てるようなサッカーをしてきたのだから、これもまた、このタイミングでの解任の理由にはなっていない。

会見で発せられる言葉の数々にポジティブな要素を感じることは最後までなかった。逆に終始、日本サッカー協会への不信感が強まった。

 

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 西野監督の下で新たな出発をする日本代表を当然応援するし、本大会でも勝ち進むことを願うことに変わりないが、組織の上に立つ人間がこのレベルの日本サッカーが2050年までにワールドカップで優勝するなんて夢物語もいいところ。ロシア大会以降に招聘する指揮官にも影響が出てくるだろう。日本サッカーに関わる全員が本気で勝ち取りにいかなければ、頂に立つどころか、日本サッカーの成長もあり得ない。コパ・アメリカへの参加を断り、国内での興行試合ばかりしていては、優勝候補にすらなり得ないし、BEST4にすら入っていけない。Jリーグの日程の問題、対戦相手の問題もあることは承知しているが、少しずつ何かを変えていかなければ日本サッカーに未来はない。




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