うさぎときつね Ⅲ / TANEBI
わかってたけど 仕方ないだろ
僕は理屈並べる
わかってるよと 君は言うけど
険悪なムードを煽ってる
テレビではどこかの戦争のニュース
それよりも目を背けている君を振り向かせたい
ありふれた言葉だけど愛してる
上手く形にできやしないけど
1日遅れの花束なんかじゃ
また君を不機嫌にさせてしまうかな
いつも笑い合えたらいいのに
どうして求め合ってしまうんだろう
窓越しに冴えない星空
ねぇ 君の笑顔が見たい
勤め先の授賞式で
初めて賞をもらえた日
まるで君は自分のことのように
はしゃいで喜んでくれたっけ
テーブルには君が昨日作ったケーキ
そこに込めた気持ちには賞味期限はないよね
ありふれた言葉だけど愛してる
上手く形にできやしないけど
1日遅れの花束なんかじゃ
また君を不機嫌にさせてしまうかな
いつも愛に答えはなくて
それでも確かにここにあって
ポケットの仕事用の電話
さりげなく電源を切った
昔々あるところに
飢えた老人を助けるため
自ら火の中飛び込み
その命を与えたうさぎと
かすめてきたお供え物
差し出したきつねがいたそうだ
どっちがいい
どっちが正しいと言えるの
僕は 僕は
ありふれた言葉だけど愛してる
それだけは言い切れると思う
1日遅れの花束だけど
良かったら受け取ってくれないかな
時に互いの愛を疑ってしまうけど
それでも信じあえると願っていたい
花束に気づいた君が
ため息をひとつこぼした
その後に少し笑った