朝井リョウという作家を好きになるきかっけとなったデビュー作。
僕が読んだのは、映画化もされていたころだったが、
朝井さんのことも作品のことも全く知らなかった。
朝井さんのことを知るきかっけは、僕の好きなコンビ、オードリーの若林さんだった。
作家の方と親交がある若林さんが自身のラジオ番組(オードリーのANN)で話していたことから、興味を持った。
その後、朝井さんもラジオ番組のパーソナリティを務めたこともあって、
朝井リョウという作家、そして人間性を知っていくことになった。
作品については、高校生活を舞台に人間関係やスクールカーストについて触れながら、高校という狭い世界が全てであるかのように生きている高校生を皮肉も交えて書いている。
タイトルにも出てくる桐島は、作中で本人は出てこない。
バレー部のキャプテンである桐島は、カーストで上に位置するからなのか、
周りの会話などにだけ登場するだけ。
なんだか、「藪の中」の構成を思わせる。
カーストのようにランク付けしたり、されたりするのは嫌いだが、
カーストので上に位置する桐島がバレー部を辞めただけで、周りの人間には少しずつ影響が出るが、これがもし、カーストでいう下層の人間が、何かをしたとしても何も変わらない毎日が只続くんだろうと思うと、少し胸が締め付けられる。
僕自身、後者側の人間だから分かってしまう。
まぁでも、どっちが偉いとか偉くないとか、そういうものではないけど、
高校生年代では、そういうことがすべてだったりする。