こんにちは、Kei(@s21cd4869)です。
今回の記事は、4月27日に開かれた、ヴァイッド・ハリルホジッチ前日本代表監督の記者会見の全容を自分の記録用に文字に起こしたものです。
ーー以下、記者会見内容
今回初めて、4月7日以来私の口からお話をさせていただく機会となりました。やはり、ここ日本で3年間仕事をしてきましたので、この地でお話をさせていただきたいと思いました。この日本という素晴らしい国で私自身いろんな経験をしてきました。
そして、この私共が家族とtもに大好きな日本というお国でございますけども、やはりそこには伝統、歴史、文化、様々な習慣、そして、それに加えて色々な仕事のやり方があり、大いに評価しています。そして、敬いながらやる、こうした日本というお国。そして、私自身はこの日本という大変素晴らしいお国に参りましたのは、観光、物見遊山できたわけではなく、私のこの手でこの日本というお国のサッカーに何かをもたらせるのではないかという気持ちでした。
私自身も、この素晴らしい日本という国をこんな風な形で去ることになるなどとは考えたこともありませんでした。今まで考えつく限りの最悪の悪夢の中でも、こんなことは一度としてありませんでした。私の志としましては、この日本という国において、しっかりとした形で仕事を私のチームとともに終えたいと考えていましたので、日本のサポーターの方々、日本の国民の方々、日本チームが素晴らしいヒーローという形で終わって欲しいと思っていたわけです。
4月7日以来、私の人生において一番つらいと言ってもいい時期を過ごしてまいりました。人として深く失望したわけです。このサッカーというものから考えると、なんて残念なのだろうと。私は日本という地にW杯の準備のためにやってきたわけで、我が代表チームをしっかりと予選通過させたわけであります。
そしてまた、このトップの方から言い渡されたことですが、日本のサッカーというものを考えた時に、何かそこに欠けていたものがあると思いました。
私自身はサッカーの世界で45年間仕事をしてきて、それもハイレベルなサッカーの世界で45年間、監督の職業というのは儚いものでありまして、どんな時であろうと、何が起こるかわからない。私自身が物事を知らなかったという点があったのかもしれない。でも私自身はそんなことをですね、今回はしていません。というのは、日本に来てやっていたこと、それはしっかりと仕事をして、我がチームが成功するためにやってきた仕事ばかりだったからであります。
そういった私に対して通告されたこと(解任)に対して私は大変失望したわけですが、私に対するリスペクトというものがなかったように思いました。
私自身この3年間にわたって、日本代表チームのためにいろいろな仕事をしてきました。3年間については私自身、しっかりと誇りを持って仕事をしてきたと思っています。そして、責任を果たしてきたと考えているわけです。
まず私が最初の日に日本サッカー協会、JFAハウスにうかがった時に、こう聞いたんです。「私のオフィスはどこにあるんですか」「いや、あなたのオフィスなんてありませんよ」。それで、すぐにお願いしたんです。「私のためにオフィスをしつらえてもらえないですか。それからまた、私のアシスタントたちにもオフィスをなんとかしつらえてください」とお願いしました。
どうやらこれは、日本のサッカーの歴史で初めてだったようです。代表監督が自分たちに対してオフィスをしつらえてくれというようなお願いを出すのは。
こうやって私どもは毎日オフィスへと出勤したわけです。代表チームをセレクションするだけでなくて、例えばメディカルスタッフも毎日JFAハウスにやって来ました。そういったことはみなさんには馴染みがなかったみたいです。その後、みんなどういう仕事の割り振りをして、どういう仕事をやっていくか、組織立てをやっていきました。監督として何をやるのか、コーチとして何をやるのか、メディカルスタッフとして何をやるのか。
毎日毎日ミーティングをしたり、テクニカルスタッフとともに実際に選手の試合などの視察にも行きました。選手一人ひとりについての報告書、レポートを作っていく。メディカルスタッフは、どの選手がどう故障しているのか、そういった細かいデータを報告していくわけです。それからまた、スタッフとともにコミュニケーションを取り、毎日毎日いろいろな作業をやってきました。
ですから、オフィスにいて仕事をする時もあれば、また実際に現場に行って試合の視察をすることもある。それは国内組の試合も、海外組の試合も同じです。
そして毎週月曜になりますと、全員のスタッフとミーティングを持ちました。そして、実際にテクニカルスタッフとともに50人ほどの選手についての一人ひとりの報告書を作っていって、プラスアルファとしてGK5、6人についての報告書を作り上げて生きました。
例えば、メディカルレポートだと、故障した選手がいるならば、すぐ連絡を取ってどういう状況なのか聞いてみたり、いろいろと広報・コミュニケーションのスタッフとも、それから、何か問題があれば管理部のスタッフとも連絡を取ってきたわけです。そしてまた代表チームのための合宿、遠征というものもしました。
そうなりますと、例えば、いつ合宿をスケジューリングするのか、どういう形でそういった合宿をやっていくのか、スタッフの数にして50人ほどいたわけです。ですから、スタッフ一人ひとりに自分の仕事があって、それをやってきた。ですから、たくさんの方々に私からもこういう形で仕事をしてきてくれて、ありがとうとお礼を申し上げたいと思います。3年間の間。
ありとあらゆる移動、遠征、練習におきまして、ほぼ完璧という形ですべてが設定されていました。例えば、こうした練習というものをしっかり準備して、どういったプランニングでやるのか。そして、公式試合、親善試合の準備・調整。私の人生において、ここまでこんなにやる気で、みんながこんなに規律正しくやってくれるところがあるのかと、今までの人生で見たことがありませんでした。
そしてまた、こうした練習の中身にしても、選手の集中度、その質の高さにつきましても本当に素晴らしく、ビッグなブラボー、ビッグなメルシーを申し上げたいと思います。3年前から、私は誰とも何の問題もなかった。特に選手との問題はございませんでした。
この3年間、常にコンスタントに選手たちと連絡を取り合っていました。海外組だろうと、国内組だろうと。海外組の選手と何度電話で話したことでしょう。国内組もそうです。こうして連絡を取り合って、コミュニケーションをコンスタントに取り続けてきたんです。そして、それぞれが誰とどういう話をするのかということも、ちゃんと決めていました。どのコーチが、誰とどういう話をして、どういうメッセージを伝えないといけないのか、きっちりとかっちりとやってきました。
私は代表チームと一緒に合宿をやっている時も、公式試合をやっている時も、必ず私はオフィスをしつらえてもらいまして、選手たちに来てもらっていろいろと話し合いができる場を作っていました。ですから、私だけではありません。私のアシスタントたちと、みんなが選手と話をして調整、つまりは準備ができるようにしていました。
GKコーチはGKの選手たちと、アシスタントコーチは誰々とそうした連絡を取ると決まっていて、私はちょっと違った形で彼らとコミュニケーションを取っていました。この3年間、みなさまがそれにつきましては証人になっていただけると思いますけど、人前で誰か一人の選手を批判したことは一度してございません。
いつも私が言っていたこと。悪いのは私。悪いのは私。「批判するんだったら、ハリルを批判してくれ」と言っていました。実際に例えばピッチにおきまして選手たちと1対1で話す時には、またちょっと違っていた。私が何かを言いたいなと思う時は、ちゃんと面と向かって言うようにしていました。選手によっては、ストレートな物言いに慣れていない選手もいたかもしれません。でも、私にしてみれば、この選手たち、このチームに対する思い入れが強かったんです。
みなさん、ご存知の通り、23人呼んでチームを編成しても23人全員が試合に出られるわけではないわけでして、試合に出る選手、それから出られない選手たちがいる。それは日本だけではなく、どこでも同じです。それでうれしかったり、うれしくなかったりもするわけですが、まさに歴史的な勝利でオーストラリアに勝って、W杯予選を通過したあの試合の後ですら、2人の選手ががっかりしていた。それは試合に出られなかったということで。でも、その前何年も試合に出ていた彼らががっかりしている事自体、悲しく思いました。
例えば、私は個人的にも2カ月、休みを1日たりとも取らず、ずっと働いていました。もちろん、休みを取ろうと思えば、いつでも取れる立場にあるんですけど、私が日本に来たのは、このチームを育てるためだったので。ですから、私がこうやって日本に来て、人々が私に頼んだのはW杯への予選を通過することであって、だから、それが終わったら、いろいろやりましょうという話をしていたんです。
さあ、それで予選は通過した。それも首位で通過したわけです。我々のいたグループは大変なグループでした。でも、みなさんの中には、いや、当たり前じゃないか、日本はいつも予選を通過してきたんだから、と言う方もいらっしゃる方もいるかもしれませんが、そんな楽なことではありませんでした。
守備にも攻撃にもベストでした。それも歴史に残るような試合をしたんです。それも、初めてだったんですよね。初戦を落として、予選を通過できたチームというのは。オーストラリアに最初に勝ったんですから。全員がパニクっていましたよ。特に「ハリル、若い選手を起用するじゃないか」と言った時のみなさんのパニクりぶり。それにもかかわらず素晴らしい勝利を勝ち取ったわけです。
みなさん色々疑問を持っていた。そして、彼らで大丈夫かなと思っていた選手たちが抜きん出た力を発揮してくれたんです。「こんな若い選手を呼んでおいていいのか」ということで納得していない方もいらっしゃいました。
そしてUAEに日本代表がアウェイで初めて勝った。また、もう一つ歴史的な勝利として、ブルガリアに7-2で勝った。ヨーロッパのチームにそれほどまでの差で勝つのは今までなかったことなんです。ですから、いろんな意味で成功してきた3年間でした。それでも、みんな満足できない。でも、私自身は満足以上のものがありました。本当に難しい時だっただけに、私はこれだけできたということで満足したのです。
やはり、このチーム、そしてまたチームを率いる人々にしましても、数年間の間、パフォーマンスという意味では、なかなか厳しいものがあった。だからこそ私自身は「今までやってきたあの選手に誰か代わる選手はいないのかな」というふうに探していた。そこに競争というものを取り入れた。もう少しベテランのお尻を叩いて、もう少し今まで以上に頑張ってくれるようにもしました。でも、とにかくそういった意味で、いろいろと満足しないことがあった。
でも、この3年間でしっかりと成功を手にして、誰もが満足した。そして今度は第3ステージに入るわけでして、それがW杯。私が就任したのは、なんといってもW杯があるからこそ就任したわけで、そこで海外遠征を2回行いました。そして、そこでは世界における最高峰のチームとの試合をセットしたわけです。
まずはこの間の11月の海外遠征。そして今年3月の海外遠征。ですから私の頭の中では代表チームにとって、W杯に向けての調整だと思っていたんです。特に中盤、FWについて、何か良い解決策はないかなと探していました。まぁですからW杯が要求してくるもの、W杯でしっかりとパフォーマンスが出せる者を求めていたわけです。ですから、今まで以上に選手がもっと幅広い力を持ってプレーできるように、と考えました。
ですから、結果のことはあまり頭になかったんです。ブラジルといったら世界一のチームじゃありませんか。それに対して、良い結果を出せるとは思わなかった。あくまでも試合によって経験を積ませることができるたらと思ったわけです。
ですから、ブラジル戦、ベルギー戦、マリ戦、ウクライナ戦と結果は、満足のいくものではないかもしれないけど、そこからたくさんの教訓を引き出すことができた。例えば、ブラジル戦、後半に2回ゴールのシーンがあったわけです。ここ数年間のいろいろな試合を見てください。ブラジルに対して2つゴールを入れることができたチームなんていますか。特に前半の最初の20分は酷い状態だったんです。ハーフタイムにロッカーで相手のハイレベルなチームに対して、どうすればいいかと話をしたわけです。あの試合の後は選手たちを大いに褒めました。
ベルギー戦は、ほぼ完璧とも言える試合でした、負けたとはいってもドローにも、もしかしたら勝ってさえいられた試合だったと思います。また、私としては、うちの代表チームにはしっかりと組織力があって、そして、自分たちのプレーでしっかりと支配していたというところで満足していた。
ですから、サッカーという意味で、ベルギーにおけるこの遠征はそんなに良くなかったかもしれない。でも、そこでいろいろなデータというもの、情報を引き出すことができた。それも、本当だったら、いつもレギュラーでいる選手の7、8人があの時には代表チームに入っていなかった。そんな状況でもあったんです。
でも、以前のようにパフォーマンスの良くない選手もいるなっていうことを私は見て取りました。だから、つまり私の頭の中では、どうしたらいいかと考えました。11月の最初の合宿には18人の選手を呼んで、2回目の遠征合宿には選手22人プラスGK2人、ですから選手たちを試していたわけです。ご覧いただいたように中島を呼んだ。覚えていらっしゃいますよね。みンなにしてみれば、心配だったかもしれないけれど、とても良い選手でした。
つまりはW杯のための調整であって、自分が何を求めているかということは、私自身はちゃんわかっていた。そしてまた、私自身もいろいろと満足していたし、選手についての情報、データもゲットしていた。そのそこに、その次にに来るのが一番重要な23人の選手を選抜をするということになります。そこで、こういった問題というものが始まっていったわけです。
何かいろいろな情報が私の耳にも入ってきていたものの、私はあくまでも自分の仕事だけに専念していました。ただ、その時にやるべき試合、プレーになっていなかったということを言う人もいた。ですから、こうした合宿をしてですね、1カ月調整をかけて、なんでこんなにも問題が出てこなければいけないのか。
そして、なぜ、会長にしても西野さんにしても、「ハリル、問題があるぞ」なんてことを一度として言ってくれなかったのか。本当に一度として。そして、何かあっても誰も何も言わなかった。西野さんは何か私に言おうとしていた。マリ戦の後、私はパリに行って、フランス対コロンビア戦を見ました。そして、その後、ベルギーのリエージュに戻ったのが午前4、5時というものすごい遅い時間になってからでした。
そして、そこでですね話が来たわけです、「一人の選手があまりいい状態じゃない」と。私は「わかっています。そのことについては、あとで解決できますから」と言ったんです。残念ながら、そこでいろんなことが起こって、会長がたくさんの選手とか、たくさんのコーチと連絡を取った。そして私とともにいたのがジャッキーとか、シリルとか、そして、またGKコーチとか。何が起こったのかということはジャッキーというコーチにも説明がなかった。
私にとっても、それはびっくりしたことでもあり、また、私とともにやっているコーチたちにとってもびっくりすることだった。4月7日のことですが、会長からパリにお呼び出しがかかって、私はなんのことかわからず、ホテルの方へ出向きました。「こんにちは」「こんにちは」と声をかけて。そのあと腰かけて、「ハリルさん、これでお別れすることとなりました」という話があったんです。
最初はジョークだろって私は思ったんです。会長に「なぜかをおっしゃっていただけますか」と伺いました。そうしたら、つまりはコミュニケーション不足だと。それによって私はそこで、もっと怒りというものが沸き立ってきたのです。そこで「どの選手と?」と聞いたら「全般的に」というお答えで。そそして、の部屋から5分経って出ました。私はもう動転して、何が起こったのかわからなかった。
で、私と一緒にやってくれているコーチたちに電話したんです。一人はイングランドにいましたし、もう一人はドイツにいて、そこで試合のうちの選手の視察をしていたんです。それで言ったんです。「うちに帰りなよ、終わったからな」と。みなさん、このコーチたちのですね、反応がどうだったかということはご想像ください。
このように会長から、その話をそういう形でされたこと。そしてまた、ありとあらゆる3年間やってきたことに対しても、ですから私自身、監督をしている人間に対してのリスペクトがないのではないかと。そして、私と一緒にやってきてくれているコーチ仲間に対しても同じ思いです。韓国戦の後に解任ということも考えたという話も聞きました。そして、それだったら、私だって少しは理解できます。W杯よりも日韓戦の方がいかに重要かということは私もわかっているからです。だから私自身の方からみなさんにこうやってすべてお話したいと思ったわけでありまして、やはり監督というのはいろいろと難しい思いをするときがあります。
1回そういった経験をしているんですよ、私自身。24試合目で初めて負けて、その後で解任ということがありましたから。その時は会長が決めたことではなくて、大統領が決定をしたという話を聞きました。
まだまだまだまだいっぱい申し上げたいことがあるので、みなさまの方から質問をいただきまして、それにお答えする形でご説明したいと思います。
質疑応答
今の話をうかがう限りでは、23人の本番のメンバー選考に関して、監督解任の問題が起きたという認識を持たれていると思うんですが、具体的に協会がどういう思惑を持って、ハリルさんの考えと合わなくて解任されたとお考えですか?
会長から言われたことは、まず選手、およびコーチたちとのコミュニケーションと信頼が薄まったことということでした。なぜか最後の遠征で弱まったようです。3年間何の問題もなかったと認識しております。私が疑問に思っているのは、誰とのコミュニケーションだったのでしょうか。選手からたくさんの励ましのメッセージをいただきました。全部読みたいところですが、槙野。
「JFAの決定について非常に落胆しています。ヴァイッド監督となんのコミュニケーションの問題もなかったと私は思っています。このチーム内の一選手として申し上げたい。私たちのコミュニケーションを改善、さらに良くすることは必要かもしれませんが、正直に申し上げます。もう一度言います。私の認識ではそういった問題というのは存在しなかったと思っています。
個人的には監督のおかげで私はずいぶん進歩ができたと思います。すごく厳しい監督でした。非常に厳しい指摘を受けました。そのおかげで今の私があると、感謝したいと思っています。厳しい時間、苦しい時間もありましたし、うれしい時間もあったと思います。ハリルホジッチ監督のW杯が是非見たかった」
というようなメッセージでした。時間があまりないので多くのメッセージを読めませんが、ベテランから若い選手まで多くの選手からメッセージをもらいました。トレーナー、メディカルスタッフからのメッセージもあります。
「ヴァイッド監督、本当に厳しかったですね。それを苦ともせず3年間ともに戦ってまいりました。おかげで私は成長することができました。私たちの父のような存在でした。親しみを込めて叱ってくれたんじゃないかと思います。この3年間、本当に心から感謝しています。私たちを一人の男としてここまで成長させてくれたのは、ヴァイッド監督、あなたのおかげです。心よりの友情を」
テクニカルコーチからも励ましの言葉をもらっています。
「いったいどうしたんでしょうか。どうなったか私もわかりません。本当に信じられません。本当に残念に思います。」
彼はテクニカルコーチ、メンバーの一人で、私と一緒に3年間過ごしてきた人です。
もう一つお見せしたいものがあります。選手です。Bチームで1回だけ起用しました。丹羽大輝です。広島の選手です。広島からわざわざ飛行機に乗って、私を訪ねて来てくれました。ありがとうとわざわざ言いに来てくれました。1回だけの起用だったんです。それもBチームの。私が申し上げてきたことと現実、何がどうなっているのでしょうか、よくわかりません。
質問にきちんと答えられているかわかりませんが、もうひと言言いたい。非常に家族的なスピリット、家族的なチーム、スタッフ全員が一つの大きな家族という形で私たちは仕事をしてまいりました。外人は外人、日本人は日本人ではなく、混ぜて、全員で一緒にディナーを食べようという機会を何度も設けました。奢るのは僕ですけどね。タダ飯だと思うと、みんなすごく食べるんです。
W杯出場権を手に入れました。本当は言わない方がいいんですけど、みんな一人ひとりにちょっとしたプレゼントなんですけれど、自分からのお礼の気持を込めてプレゼントしました。ヴァイッドは見た目ほど憎たらしいやつじゃないと、どこかで思ってもらえたんじゃないでしょうか。ピッチでは非常に厳しいかもしれませんが、いつも、いつも厳しいわけではありません。
サポーターとして1つ質問させてください。ヴァイッドさん、僕らサポーターにとっても最悪の悪夢です。あなたとともにW杯の本戦を戦いたかったです。日本サッカー界がこんなひどい状態に陥った際に、僕らサポーターはどう振る舞えばいいのか、アドバイスが欲しいです。今まで3年間ともに戦ってきた何十万人、何百万人という日本代表サポーターに向けてメッセージをお願いします。
ありがとうございます。私のように傷ついている方が多くいるというのを聞いて、このように励まし、サポートのメッセージをいただいたことは、これまでありませんでした。
今まで日本だけでなく、こういったことはありませんでしたし、本当に深く傷つきました。なぜなんだろうという想いで、もう一度日本に参りました。ぜひ一緒に東京の街を練り歩いてください。「ハリルさんだ」って、多くの方々に道端でも声援を送っていただけるんです。すごくうれしいです。でも、「何が起こったんですか」とみんな質問してきます。
私の方から直接、会長にも質問したいと思っているんです。私の得意分野である”最後の詰め”という仕事をさせてもらえなかったんですね。
W杯ブラジル大会でも、かなりいい監督だったと自負しております。W杯出場権を得られて、日本でもいい仕事をしたと思っているんです。日本代表と仕事をしてきたにもかかわらず、この続きができない。ここからだという時に仕事ができなくなっちゃうわけです。やはり非常に傷ついています。
みなさん、サポーターの方々と同じように、私も深い傷を負っていますけど、まだ答えはないです。でも、本当にサポートしてくださってありがとうございます。心より感謝します。このように私をサポートしてくださる方がこんなに大勢いるのは、今までわからなかったかもしれません。まだ全部を語り切っていないのかもしれませんが、一番素晴らしい試合、それはサポーターとの試合かもしれません。それにサポーターの心を得られたという勝利を収めたのだったら、すごくうれしいことです。ありがとうございます。
監督自身、今回真実を探しに来日したというふうにおっしゃっていましたけど、結局、解任された真実というのは具体的になんだったのでしょうか? もう一つ、監督自身悔しい思いをしていますが、W杯で日本代表を応援しますか?
残念ながら真実を探しに来たと言ったものの、まだ真実は見つかっておりません。何人かの選手が不満を漏らしているということは聞いております。会長とやり取りをされているようですが、テクニカルスタッフ何人かともコンタクトを取っていたようです。
西野現監督がその中で、どういった役割を果たしたのかは私にはわかりませんが、私がまだ代表だった時に、彼がちょっと注意した方がいいかもしれない選手が何か不満を漏らしているということを言いかけていたので。本当に何か問題があったのだとしたら、本当だったら、会長が事前に「いろんな、こういう問題が起こっている、どうするんだ、ハリル」と言ってくれれば良かった。西野さんも私にそういったことを事前に警笛を鳴らすなり、何かインフォメーションをくれれば良かったのではないでしょうか。
会長は、あるスタッフとは話したけれど、なぜ私の方のスタッフ、ジャッキー・ボヌベーですとか、シリル・モワンヌ、あと、GKコーチとは話をなさらなかったのでしょうか。
その選手、2名いるのでしょうか。不満をもらしている選手は2名でしょうか。私の方には感謝している、ありがとう、残念だというような選手が15人くらいメッセージを直接送ってきてくれているんです。
本当に会長から前もって「ヴァイッド、問題があるみたいだぞ」と教えてほしかったです。解雇権を持っていますから、解雇することについては問題ではないと思うんですね。何か問題があったなら、その原因がなんなのか監督に会長が聞いてきてほしかったです。
会長の決断はもちろん正しいですし、今の現状で、私がすごくショックを受けているのは前もってなんの相談も、問題だよとも、誰も何も教えてくれなかったんです。そして会長自らパリまで来てくださったわけですけれども、突然の解雇なわけです。
わからないんです。コミュニケーションと信頼関係が薄れているという内容が。最初、ずっと申し上げてきたように、日々の練習とか月曜日の全体会議とか、コミュニケーションを取っていたつもりなんです。こう言ったたくさんの仕事を私一人ではなく、私のスタッフ全員で構築してきました。なので、それに対して、どういうことなのか、本当にどうしてなのか、答えが知りたいと思います。
2番目のご質問ですけれども、私は日本の永遠のサポーターです。いろんなことを混ぜることができない、まっすぐな性格なので、私は今まで関わってきたチームそれぞれと常に親密な関係を築きたいし、ずっといつも日本チームおよび多くの選手たち、スタッフたちとまだすごく心が通っていると信じていますし、みんな、どのような事態でこういうことになったのかわからないままです。
日本、ずっとこれからも頑張ってください。これは本当に心からの言葉です。みんな頑張って。これは本当にリップサービスではありません。私のことについて、好きなだけ、いろんなことを言ってください。ただ、私のこの忠実な、まっすぐな、正直な気持ちは心からのものですし、それについては揺るぎないものだと思います。今回、この事態のことを私はなんと申し上げたらいいんでしょうか。非常に心残りです。どういうことなんでしょうか。
もう一つお願いがあります。個人的なメッセージになります。お許し下さい。チームに関わったすべての人たち、そして、サポーターにも先ほど感謝の言葉を申し上げたと思いますが、熊本県にも個人的に感謝したいと思っています。
本当に特別なメッセージを直々に熊本県からもいただきました。W杯前に熊本に足を運ぶと約束したので、熊本にも行きたいと思っています。こういう状況なので、変わってしまったのですが。熊本県と約束したのが試合ごとに熊本のバッジをつけるということでした。次回は私は観光客として熊本に足を運ぶことでしょう。
友だちから聞かれます。君は日本に行くのかい?もちろん、絶対に自信を持って次も日本に来れる。今までやってきたこと、仕事にしろ、一個人としても、非常に自分でも誇りに思っています。私も、そして、私の家族も、日本が大好きです。素晴らしいところを観光で見物させてもいただきました。北にはちょっと足が運べていないのが残念ですが、まだ生きていますから、なので、またお目にかかりましょう。
コミュニケーション不足というのが解任理由ですが、これまでいろいろな海外のチームを指導してきて、同じような理由で解任されたことはあるのでしょうか? こういった理由に関して、どのようにお考えでしょうか?
いえ、初めてです。今まで聞いたことがありません。まぁフットボールのすべてを覚えてはいませんが、コミュニケーションってあまりにも広い意味過ぎてですね、具体的に誰とか、どういうことっていうのを教えていただきたいと思います。
また再来日、滞在5、6日目でしょうか。多くの人が見えて、話をしていました。よく私には事情のわからないことが、私の知らないところで行われているような気もします。W杯の日本代表23人を選ぶというのは、日本においてだけでなく、どこの国においても、たくさんの軋轢が起こる問題であります。監督および選手にとってW杯出場という意味はどういうものでしょうか。その選手や監督にとって素晴らしいプロモーション、名誉なことではないでしょうか。すべての試合に負けたとしても、W杯に出たということは非常にポジティブなイメージではないでしょうか。
本当に傷ついている理由は、そのW杯に出れる、すべてが整い始めていたところなんですね。W杯に出るぞ、そしてこれから千葉、オーストリア、ロシアでも遠征が控えています。すべての準備を今後、事務局側と整えていこうとしていたんです。細かいディテールまで全て詳細を詰めていくところだったんです。どれだけ大変な仕事量か。ここ2カ月、10回くらいは見たと思います。日本対コロンビア戦のビデオを。
言い忘れていたことがありました。2月なんですけど、海外組、長谷部、(川島)永嗣、吉田、長友に会いに行って、そういったベテラン選手とコミュニケーション、最近、どうしているのかというような実地調査をしてきましたし、その時、特にコミュニケーションの問題は起こっておらず、選手たちは非常にモチベーションが高かったんですね。
なぜか1カ月後には、コミュニケーションが薄らいだ。どなたとのコミュニケーションの話をされているのかわかりません。準備はすべて整ったところで、次の監督に受け渡すというような形になりましたが、その監督にとっても非常に大きなチャレンジになると思います。これから4週間ともに働けると、ワクワクしていたところだったんです。
どこまで行けるのかわかっていたんですけれども、会長が来て、「では、さようなら」と。突然の出来事ですし、事前に何も知らされていなかったので、なんでなんでしょうね。逆に私が知りたいです。教えてください、みなさん。
他の歴代監督にも話を聞きましたけれど、わからないと。どうぞ、真実を私だけじゃなく、サポーターの皆さんや多くの皆さん、なんだったんでしょう。おまけにこの時期にですよ、どうしてなんですかね。やはり、こういった時期に、こういった結果は本当にこれでいいのでしょうか。準備はしたと言っても、舞台はW杯です。今の私がどんな心持ちかっていうのはわかってもらえるでしょうか。私が街で出会うファン・サポーターの人たちが私にどういった声をかけてくれるか、ご覧になったらわかってもらえるのではないでしょうか。この段階で、協会はかなり大きなリスクを負ってしまったのではないか、と思います。
フランスでは、日本でそんなことが起こるの?って言われました。日本というのはリスペクト、お互いに尊重し合う国だと聞いておりましたし、いかがですか、みなさまに問いかけたいと思います。代表監督に、こういったことをするのはいかがなものでしょうか。
私がきっと理解しやすかったのは、だってウクライナに負けたんでしょう、とかリザルトをぶつけてくださったら理解できたと思います。
会長にベルギーに来てもらおうと思ったんですね。「ちょっと別件が入っている」と言われてしまったんです。「W杯まであとは一直線、頑張らないといけない、いろいろ準備しないといけないから、ぜひ来てください」と申し上げたんですけど。
会長の記者会見にも出ていましたし、みなさんからの質問がないので、私からこれを申し上げないといけませんが、会長の記者会見の時に、テクニカルコミティがたくさんの修復をしようと試みたと。テクニカルコミティの存在すら私は知りませんでしたし、どなたも私のところに見えてお話をしたことがないので、私の方では存じ上げません。私のオフィスに来てもらった時に、挨拶、握手をしたのかもしれませんが、西野さんもいらっしゃいましたね。西野さん、あとから加わったわけですけども、テクニカルディレクター、技術委員長の役務を初めてこなされる方でした。
確かに彼とのコミュニケーションは非常に少なかったかもしれません。挨拶はもちろんしましたが、すべてのトレーニング、会議、常に一緒にいました。選手、このリストで行こうかという提案をした時、現地のローカルの選手も起用したりしましたので、彼の意見を求めたりもしました。
あまり多くを語らない人でした。試合中ですが、GKの第2コーチとともに選手たちの観察をしてくれとお願いしましたが、ハーフタイムの前に彼らは観察から降りてきて、いろいろ情報をくれるんですね。そうすると、ハーフタイムの準備、ロッカールームで話ができます。
すべてのトレーニング、練習に彼は参加していました。いつも「いや、良かった」と言ってくれたんです。一度だけ西野さんに聞かれたのは「フランスでの技術委員長の役務、どういった仕事をされるのですか」ということです。
私の知らないところで、どういったやり取りがあったのかは不明です。あえて聞いたりはしていないんですけど、他のメディカルスタッフが話をすることがありましたし、会長から私が望めば会うということをしてくださったようです。
そして、技術委員長からベルギーで「ちょっと選手が1人、不平不満を言っているんじゃないか」というようなことを聞きました。一度だけ。非常に友好的な関係を築けていたような気が私はしていました。問題はどこにあったのか、みなさんからもぜひ聞いてもらいたいと思います。
しゃべり過ぎたかな。
最後に私はみなさまにひと言申し上げたいと思います。メディアの方々、記者の方々、本当に心より御礼申し上げます。心より正直に申し上げます。私に入ってくる情報量は非常に少ないです。批判もあるというようなことも聞いています。日本の記者の方々はそれでも私には優しい人々だったと思います。
このタイミング、この時期というのは非常に特殊なタイミングでしょうか。何が起こっているのか本当にわからないです。どうか記事を書くみなさま方、客観的に記事を書いてください。私のことをどう言っても構いませんが、どうぞ日本代表は今、すごく窮地に陥っていると思います。これから頑張って準備をしていくことでしょう。フットボール、サッカーの世界ではW杯はこれ以上にない試合になると思います。危険性をはらんだ素晴らしいW杯です。お願いです。どうか彼らに準備の時間を与えてあげてください。日本代表にはどうかいい試合をしてほしいと思います。
そして、最後にですが記者の方々から今まで全員ではないですが、会見が終わるごとに拍手をいただいてきました。その拍手に本当に心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
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