*Just the Way You Are* ~はみ出し者の旅~

サッカー、音楽、旅などについて書いてます。遠回りの人生の中で感じたことを只々、綴っています。お問い合せはフォームより。

【日本代表】vs ウクライナ 『欧州遠征』シンプルに、そして強かにゲームを展開したウクライナから何を学ぶか




 こんにちは、Kei(@s21cd4869)です。
欧州遠征の2試合目、ウクライナ戦を振り返りたいと思います。





選手起用


 植田のCBでの起用は、今回が初めて。これまでは右サイドでの起用だった。本職でのプレーは、高さでは負けず良かった印象だが、2列目から出てくる選手を捕まえられないシーンが目立った。これは相棒の槙野にも言えることだが。また、ロストしてはいけないエリアでのパスミスがあったのも印象が悪かったかなと。


球際で喰らいついた本田


 チャンスを掴んで欲しいと、指揮官が語った中でのスタメン起用。前半開始から終始、守備に追われる場面が多く本田にとっては苦しかった印象。右サイドでコンビを組んだ酒井高徳との連携も良かったとは言えず。もちろん、本田だけの責任ではない。酒井高徳の裏を徹底して相手が狙ってきたことで本田も押し下げられてしまい、そこから前に出て行くのは容易ではなかった。



しかし、相手を背負いながらボールを納め、周りを使いながら攻撃の形を模索するも、味方のサポートが少なく、ロストするシーンが続いた。それでも、本田と柴崎の距離感が良いときには、良い形でゴールに迫った。

攻撃面ではアピールできなかった印象だったが、前半の立ち上がりのプレーが頭から離れない。酒井が相手に剥がされた後、自陣のゴールラインまで戻って体を投げ出しながら、球際で最後までボールに喰らい付いたシーンだ。今日の意気込みが感じられるワンプレーだった。


 

ボールをロストするシーンも目立ったが


 ボールロストした瞬間の切り替えの早さは良かったと感じた。特に柴崎は自らが失ったときにはファール覚悟で奪い返しに行っていて、基本ではあるけれど、その気持ちが大事だと思うのだ。

終始、崩された日本の右サイド


 相手の左サイド、日本の右サイドを崩される場面が多かった印象。スカウティングで何か情報があったのかもしれないが、ウクライナのほとんどの攻撃が最終的に左サイドを使う形だった。ゲームの途中で何か手を打たなければいけなかったのではと感じてしまう。

意思統一、攻め方が明確だったウクライナ


 ウクライナは意識が統一されていて、尚且つシンプルにサッカーを展開してきた。最終ラインで回しながら、日本の守備に綻びが生まれた瞬間に楔のパスを入れてくる。楔が入らない日本と、回しながら確実に楔を入れてくるウクライナ、これがこのゲームの全てだった気がしてならない。日本チームの最終ラインの選手やボランチが蹴るボールがミスが多かったのに対して、ウクライナの最終ラインやボランチが蹴るボールはミスがほとんど無かった。その理由の一つに、自由に、ノープレッシャーで蹴らせていたのは大きな要素だった。ポーランド戦を想定したゲームだったのならば、尚更ボールホルダーに自由に蹴らせてはいけなかったはず。



また、楔を入れ、中央のエリアを使ってから空いた左サイドに展開してくる形は、ウクライナの得意な形。しかし、あれだけ何度も同じ形でやられてしまうのはいただけない。



ポジティブな要素も


 マリ戦ではチームとしてポジティブな要素が皆無だったが、この試合ではいくつか可能性を感じる形が見られた。特に、ダイアゴナルなパスでサイドを変えるプレーは一つの形として可能性を感じるプレーだった。



違いを生んだフリーキック


 原口の仕掛けから獲得したフリーキック。槙野のヘディングも見事だったが、柴崎の蹴ったボールが素晴らしかった。ディフェンスラインとゴールキーパーの間に入れた素晴らしいボールだった。右利きのキッカーがいない中で一つ違いを出したプレー。



ウクライナは何のためにボールを回すのかが明確


 先ほども触れたのだが、ウクライナは何のために、ボールを回すのかが明確で、タイミングを見つければ、縦に入れてきた。一方、日本は全部焦って縦に蹴るだけになってしまっていた。これは、ウクライナから学ばなければならない。一昔のウクライナに比べて、進化している印象を受けた。これだけのサッカーをするウクライナがロシアワールドカップに出場できないのだから、改めてヨーロッパの予選の厳しさを痛感する。



日本の生命線はウィングがどれだけ剥がせるか


 原口は終始、気持ちが入ったプレーが見られた。アグレッシブに仕掛けていくプレーは観ていて気持ちがいい。もっと、ペナルティエリアに入っていける位置で前を向いてボールを受けられれば。何とかペナルティエリアに侵入していかなければならない。この試合でもペナルティエリア内にドリブルで入っていくシーンはほとんど無かった。



単純なミスが多すぎる


 ロストしてはいけないエリアでボールをロストするシーンが多い。最終ラインやボランチのパスミスは命取り。もっと簡単にプレーすること、逃げるプレーも必要。



待ち構える相手に向かって放り込んでもカウンターを食らうだけ



 一度仕掛けて、上手くいかなかったときに、それでも縦に行こうとする場面が多く見受けられた。焦っているようなプレーが目に付いた。焦って前に蹴らず、下げてやり直すべき。そのためにも、後ろの選手のポジショニングは重要。こういったゲームを観ると、遠藤保仁や、内田篤人の存在の偉大さを痛感する。


 

中島翔哉のトップ下起用



 僕個人の意見として、以前からずっと言っていて、どこかの記事でも書いたのだが、翔哉がもっとも活きるのはトップ下。A代表でこんなに早く観れるとは思っていなかったが、如何せん時間が短すぎた。現在はジョーカー的な立ち位置なので致し方ないが、もう少し長く観たい。

今回は、手倉森コーチの意見もあって、トップ下起用だったのかもしれない。ビハインドの状況で、原口が良かったというのもあるか。


もっと大胆さを求めたい


 正直、残り10分でビハインドなら、3失点目を恐れずに、前からボールを奪いに行って、同点ゴールを勝ち取りにいって欲しかった。やはり、本大会でもビハインドの状況になることが想定される。いや、おそらくなるだろう。本大会のシミュレーションなのだから、もっと大胆に点を取りに行っても良かったのではないだろうか。日本代表にには、大胆さが欠如していると思う。



露呈したボランチのレベルの差


 2試合を通じて一番感じたのはボランチの能力不足。やれていたのは、大島僚太だけ。山口と長谷部はボランチとしてのセンス、視野の広さ、展開力が圧倒的に足りないと感じた。逆サイドに展開したい場面でいつも、隣しか見えていない。余裕があるときはサイドが見えているが、少し寄せられてしまうと展開力がゼロになってしまっていた。さらに言えば、縦パスの精度も求めたいところ。



無難な選択をせず、自分で何とかする姿勢


 ある意味、先ほど述べた大胆さに近いものかもしれない。後半途中から出場した中島翔哉は、無難なプレーを選択せずに、自分で打開しようとするプレーや、ゴールへ直結するようなプレーを選択していて、それがすごくいい。今までの代表に圧倒的に欠如していたもの。今まで、そのプレーに批判があって日本であまり、出場機会を得られなかった理由でもあるけれど、それは日本サッカーが間違っていると言い続けてきた。サイドでフリーの長友が見えていたにも関わらず、サイドに逃げずに中央での勝負を選んだシーンは素晴らしかった。



代表戦では久々の感覚

 

 

 自ら得たフリーキックを宇佐美に譲らずに蹴った。本田や柴崎が既に退いていたこともあったが、例え本田がいてもおそらく翔哉が蹴ったと思う。まぁ、僕ならニアに置きに行くようなキックを選択しただろうとイメージしたけど、彼は、早いボールでファーだった。



ジョーカーの1枚は揺るぎないものになったか


 やはり、途中からジョーカーとして流れを変え、何かをやってくれるような期待が持てる選手は中島翔哉だけ。特別な1枚として、可能性は十分に示した。トップ下で考えるのか、左のウィングで考えるのか。何れにしても、ジョーカーの1枚として、ロシア行きの可能性は高まったのではないか。




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