平昌オリンピックが、閉幕した。
冬季オリンピックとしては、今まで一番競技を観た大会になった。
世界が一つになれる瞬間
男子フィギュアスケート、羽生選手の圧巻の演技。
宇野選手の序盤のミスを立て直した演技。
女子スピードスケート、小平選手の悲願の金メダル獲得。団体での金メダル。そして、オリンピック新種目、マススタートでの、高木菜那選手の金メダル獲得。
などなど、数多くの競技を観ることが出来た。それぞれの選手に、ここに辿り着くまでの物語があって、どの選手にもベストを尽くして欲しいとただただ思いながら観戦していました。
小平選手が、2位になった韓国の選手に寄り添う姿は多くの人の胸を打ったのではないでしょうか。“オリンピックという平和の祭典に政治などを持ち込んではいけない”と改めて強く感じました。
カーリング女子チーム
そんな中でも、個人的に印象的だったのが、カーリング女子チームでした。どんな時でも、溢れんばかりの笑顔で、氷上で戦う姿が印象的でした。コミュニケーションを取る際のちょっとした方言や、間食にイチゴを食べるなど、話題になっていましたね。
正直、カーリングをしっかりと観たことは、殆どなく、ルールも詳しくは知らないようなレベルでしたが、今大会を通じて、カーリングという競技の面白さを知ることができました。
スポーツなどをしていた方ならわかるかもしれないですが、練習中や試合中に白い歯を見せるなというのがある種の暗黙の了解というか、常識のようなところがあって、そうでなければならないという認識があります。
笑う門には福来る
しかし、カーリング女子チームからは、一種のアンチテーゼというか、様々な事を感じました。どんな時でも笑顔で、カーリングを、真剣勝負を、心の底から楽しんでいるのだと。大会の途中からは、メダルを獲らせてあげたいという不思議な感情になっていました。3位決定戦では、イギリスのラストショットがミスになり、日本の銅メダル獲得が決定しましたが、大会を通じて、仲間を信じて、どんな時でも笑顔で、それでいて真摯に戦い続けた彼女たちをカーリングの神様が見ていてくれたのではないか、そんな事を思いました。
「笑う門には福来たる」、この言葉がピッタリだと思います。もちろん、弛まぬ努力があっての上ですが。
最後の瞬間までプロフェッショナルで
イギリスのラストショットがミスとなり、日本の勝利が決定しても、イギリスの選手たちと握手を交わすまで、日本の選手に笑顔はありませんでした。これは、カーリングでは、相手のミスを喜んではいけないとのこと。カーリングは、相手を思いやるスポーツだということ。
初めての銅メダル獲得が決まった瞬間だったのだ。喜びの感情が溢れてしまっても誰も責めなかっただろう。しかし、彼女たちは、最後までプロフェッショナルであり続けた。その姿勢には頭が下がります。
満開の笑顔が咲き誇った
日本チームにとっては、オリンピックでの歴史がない。メダルはおろか、予選を勝ち抜いたことすらなかったのだ。今大会は、“新たな道を切り拓き、新たな歴史を刻む”、そんな戦いだった。とても素晴らしいチームだと感じた。笑顔の奥に見え隠れするのは、強さだけではなかったかもしれないが、その満開の笑顔は、今大会の中で最も輝いていた。
カーリングの面白さを知る
1ショットごとに、ハラハラし、一喜一憂する。観ている僕らが緊張してしまう。そんな戦いが続いたが、その中でカーリングという競技の面白さ、チームごとの戦術の違い、刻々と変化する氷を読むこと、瞬時に判断を変えていくことなど、様々なカーリングの要素を知るキッカケになった大会でした。
とても面白く、奥が深いスポーツだと感じました。チームワークが物を言うスポーツだとも感じました。チームを立ち上げ、LS北見を引っ張ってきた本橋選手が裏方に徹し、敗れた試合後には、インタビューを一手に引き受け、選手のストレスを軽減し、試合中のエネルギー補給の食品などを準備し、夜遅くには、試合で投げるストーンのチェックをする。決して目立ちはしないけれど、とても重要な作業で、チームとして大切な役割を果たしていたそうです。
この熱が一過性のものにならないように、願いたいですし、それは、僕らの行動も重要になってきますし、メディアの担う役割も大きいと思います。
新たな歴史を刻む
笑顔でいることが難しい時もあったと思います。その笑顔の裏には、相当なプレッシャーもあっただろうと思います。それでも、常に笑顔で戦い続け、新たな歴史を刻んだ。素晴らしい戦いでした。銅メダル獲得が決まった瞬間には、流石に目頭が熱くなった。素晴らしい戦いを連日に渡って、見せてもらった。ありがとう。
銅メダル獲得、本当におめでとうございます。