中東アウェイでの勝利。
結果を得た。勝ち点3を勝ち取った。
良かった選手、良くなかった選手がいた。
それは、一目瞭然だった。
理想を追わず、勝つための現実的なサッカーをした。
そのためのスタメンだったのだろう。
勝ったから、あえて言いたい。
パサーが一人もいないチームのサッカーは退屈だし、観ていられない。
「美しいサッカーをしてくれ」と言いたい訳ではない。
このゲームは、日本のポゼッション率は42%。
総パス数は417本、対するUAEは574本。
このゲームは、奪ったボールを上手く繋げずにすぐに失って、
日本の守備の時間がかなり長かった。
この試合は日本にとっても、ハリルホジッチ監督にとっても
負けが許されないゲームだったのは事実だ。
だから、守備的にはいりたいのは理解できる。
結果が全てのこの世界で、結果が出て
見事に無失点で勝ったのだから、ハリルの采配は間違っていなかったとも言える。
だが、失点できないからといって、中盤にパサーを一人も置かないというのは
個人的には違うのではないかと思う。
中盤はアンカー(ボランチ)に山口蛍、CMFに今野泰幸と香川真司という構成だった。
この3人には申し訳ないが、ゲームを作る力、パスで組み立てていく力はない。
もちろん、プレースタイル的に。
せっかく、ボールを奪っても、ボランチがボールを上手く捌けていなかったし
縦パスも相手にひっかけてばかりだった。
これが、日本の守備の時間が長くなった、一つの要因だと感じた。
中盤に一人だけでも、パサーがいれば、中盤で上手く捌ける選手がいれば、
日本がボールを保持する時間が少しでも増え、自動的に守備の時間は減ったのではないかと思う。
もちろん、試合には勝ったからこそ言えることだが。
次は、選手個人に目を向けてみる。
今野の大活躍、久保の1ゴール、1アシスト、
川島のビックセーブなど誰もが評価するところは言うまでもないだろう。
なので、そのほかの選手について書いてみたいと思う。
まず目を惹いたのは、原口元気だ。
守備の負担が多く、攻撃では影をひそめていた時間が多かったが、
攻撃に絡んだ際には、チャンスに結び付けていた。
後半終了間際のペナルティエリア外で、本田とスイッチしてペナルティエリアに侵入し、岡崎にパスをした場面では、自分で打って欲しかったが、、、
見えてしまったら、出してしまうのも分かる。
そして、守備での貢献度は言うまでもないだろうが、
長友が守備に重きを置いていたのもあり、前から後ろまで広い範囲の対応をせざるを得ない状況の中でも運動量豊富に貢献していた。
少し、守備の負担を減らして、もっと攻撃に重きを置きたいところではある。
次に、吉田麻也について。
今までは、安定感が感じられなかったり、ミスが多かった印象があったが、
このゲームでは、空中戦も負けなかったし、1本パスミスがあったが、
安定していて、相手FWを封じていた。
素晴らしかったと思う。
途中出場の本田圭佑について。
所属チームのミランでは、出場機会を得られていないのは事実だが、
そこまでコンディションが悪いとは感じなかった。
短い時間だったのでまだ分からないが。
某番組でS上が本田に対して、サッカー素人らしい文句を発していたが、
僕は反論したいと思う。
確かに、本田はこのゲームで中央に入ってプレーする場面が何度かあった。
しかし、この日ベンチスタートで後半途中まで、ゲームの流れを観ていた本田からすれば中央でのプレーは正しい判断だったのではないかと思うのだ。
冒頭の方でも書いたが、パサーがいない影響というのは大きく、
終始落ち着かないゲーム展開だった。
そこで本田はゲームをスローダウンさせるため、細かくつないでゲームのリズムを作りたかったのだと感じた。
その作業は、サイドにいたのでは出来ないため、中に入ってのプレーが何度かあり、
素人の目からすれば、自分のことしか考えていないように映ったのだろう。
フリーキックの場面など、本田が直接狙った場面などもあったが、
それは単純に結果が欲しかったのだろう。
本田の立場でなくとも、同じポジションで先発した選手が結果を出したのだから
生き残るためには結果が必要で、その争いがチームを高める。
だからこそ、あのプレーは当然だと思う。
僕は不遇な時間をミランでも代表でも過ごしているが、
もう一度這い上がってくるような気がしてならない。
本田圭佑という男は、そういう男だ。
ミランに残留したことで批判の的になっているが、
出るのに勇気はいるが、
残るという決断にはさらに勇気がいると思う。
それも本田の覚悟の表れだろう。
日本の中心に背番号4が、ミランの中心に背番号10は戻ってくる。
次は、28日ホームのタイ戦。
気を引き締めて勝ち点3を。