*Just the Way You Are* ~はみ出し者の旅~

サッカー、音楽、旅などについて書いてます。遠回りの人生の中で感じたことを只々、綴っています。お問い合せはこちら。Mail : jtwya.s21@gmail.com

『指揮官』~10月のAマッチ2試合~

 

 

 

 「選手たちに裏切られた気分だ。次は23人入れ替えるかもしれない。」

 

ハイチ戦後の指揮官のコメントだ。

 

言葉は悪いが、お前が言うか。と思った。親善試合で采配も何も無いかもしれないが、練習試合だろうが、親善試合だろうが、はたまたW杯の決勝だろうが、相手が大学生だとろうが、格下だろうが、格上だろうが、監督の仕事は同じだと思う。

選手を試す絶好の機会であったのは事実だが。

 

 確かに選手を試すゲームであったのは事実で、2試合とも、6つあるカードをすべて使い選手にチャンスを与えたことは良かったと言える。しかし、交代で出す選手はともかく、下げる選手の選択を間違えてはいけなかったと思う。ゲームが終わってからあれこれ書いても"所詮、結果論だろ"と言いたい人もいるかもしれないが、ゲームをしっかりと観ていた人なら変えてはいけない選手、というより変えようと思わない選手がいたと思う。

ゲームにリズムを生み出していたのは、、、

 

 その選手とは、小林祐希だ。指揮官は56分、その小林に変えて井手口をピッチへ送り出した。2-2に追いつかれて少し経過してからの交代だった。失点前から準備させていたのかもしれないけれど、小林祐希がベンチに引っ込んでから、日本のリズムは完全に失われた。その後、逆転された日本は、終了間際に辛くも追いつき、ドローで10月のAマッチを終えた。小林祐希を90分出していたからといって、このゲームに勝てていたかというと、それは断言することは難しいが、ずっとマシな後半の内容になっていただろうと容易く想像できる。

 

本当に選手だけの責任だったのか

 

 お世辞にも内容が良かった試合だったとは言えないし、選手たちのパフォーマンスも最低レベルだった。だが、ゲームをトータルするとこのゲームの結果をもたらしたのは指揮官の采配ミスという要因もあると思う。

 

ポゼッションを捨てるサッカーに固執するハリルのサッカー。中盤にはゲームを作れる、リズムを生み出せる選手を配置することはほぼない。それどころかベンチにすらそういった選手が座っていないゲームばかりだった。この日は、小林祐希が初スタメン。ハリルの思考するサッカーへのアンチテーゼを自らのプレーで見せたのではないか。

 

選手交代を機にリズムを失った一つの例。

 

 中盤でボールに触れる回数も多かったし、左右に散らしたり、簡単に捌いて、動き直してまた受ける。これをスタートから途中交代するまで繰り返していた。最近は、こういった選手は代表にはいなかったと思う。オランダにいってから少し変わってきた感じはある。

ニュージーランド戦、そしてハイチ戦、この2試合で共に1番良かった選手、1番印象に残った選手は小林祐希だった。ハイチ戦では中盤でボールを捌き、そして、散らしてゲームのリズムを生み出していたし、縦パス、スルーパスで決定的なチャンスも演出していた。

指揮官が違えば、メンバーからも外れるであろう、低調な選手を使うのであれば、小林祐希を使う方が100倍いいなと思ったゲームだった。その小林祐希を後半途中で交代させたこの采配が明らかなミスだったと思う。小林を下げてしまったことで日本はリズムを完全に失った。

出しては動く、出しては動く。このサッカーの基本とも言える単純なプレーではあるが、ハイチ戦のように出来れば、自分のプレーのリズムも、ゲームのリズムも生み出せると観ていて感じた。

 

ブラジルW杯の教訓が生かされていないのではないか

 

 日本代表監督に今の指揮官が就任してから、全てのゲームを観てきたが、色々と思うところがある。その中でも1番の不満は、指揮官のフィロソフィーだ。

弱者のサッカーを志向すること自体は間違った選択ではないと思う。W杯ではほとんどのチームが日本よりも格上のチームで、日本が常に主導権を握ってサッカーができるわけではないからだ。しかし、何か重要な点を履き違えている気がしてならない。奪ったらすぐに前に出せという要求、前線の選手の個のチカラ有りきの退屈なサッカー。縦に速いサッカーというよりも、戦術など全くなく、引いて守って、取ったら前の選手に個で何とかしてもうサッカー。内容をとやかく言うレベルではないかもしれない。勝てるサッカー、現実的なサッカーをして、勝てるようになってから内容を求めろと言われるかもしれないが、少なくとも奪って前に蹴るだけの1片等なサッカーにはうんざりだ。

一体、日本サッカーの良さは今現在のサッカーのどこにあるのだろうか。日本人の特性はどう活かされているのだろうか。植田を呼び続けても、1度も使わない理由も分からない。

ブラジルW杯の反省として、パスサッカーに固執しすぎたという点が挙げられた。
今のサッカーは縦へ急ぐことに固執しすぎていて引き出しがあまりにも少なすぎるのではないだろうか。

 

ハリル就任後、良かったと言えるゲームはあったか


先ほど、ハリルが監督に就任してから全てのゲームを観てきたと書いたが、その中で良かったなぁと思ったゲームは一つも無かったと個人的には思う。アウェイのオーストラリア戦での原口が挙げた先制ゴールのようにうまくショートカウンターがハマったケースはあったが、試合全体をトータルすると良かったと思えるゲームはやはり、1試合もなかった。

年々、代表監督のハードルは上がり続けていると言うことはは理解した上で言っている。しかし、これはどこの国の代表監督でも同じことだろう。であるから、これは言い訳にはならない。

日本代表の今後を左右する11月


11月の欧州遠征、ここで指揮官の固執するサッカーが本当の意味で試されることになるであろう。フランス・リールでのブラジル戦、そしてベルギー・ブルージュでのベルギー戦。この2試合はロシア行きの船の舵をどの方向に切るかを決断する上でとても重要なゲームとなる。このチームの今後を大きく左右する180分になるだろう。指揮官の言葉から推測すると、試された位置にいた多くの国内組は恐らく招集されないだろう。コンディション的にも、次は今回呼ばれていない欧州組が試される可能性は大いにある。森岡、宇佐美、鈴木大輔、そして翔哉。もしかしたら内田。仮に呼ばれれば、ロシアへのサバイバルのラストチャンスになるだろう。そして、今回招集を見送られた岡崎、長谷部、本田も怪我などがない限りは呼ばれるだろう。


連携、戦術の引き出しが指揮官にないのならば、チャレンジする選手を観たい


指揮官よ、トップ下に香川を置いて、守備的なボランチを2枚並べてゲームを組み立てる気がなく、ポゼッションを捨てることに固執し続けるなら、戦えて、チャレンジ出来る選手をトップ下に置いてくれ。退屈なゲームを観るくらいなら、積極的に仕掛け、チャレンジしてくれる選手を観たい。

 

戦術の引き出しが無いなら無いなりにやりようはあるはず。

何はともあれ、11月の2試合。
W杯への試金石。